旧川喜多邸

笠智衆が縁側にあぐらをかいて座りカメラのほうを見ている。
このシーンひとつだけでも『東京画』は見る価値があると思っています。
ヴィム・ヴェンダース監督と小津安二郎監督が笠智衆という俳優を介し、
時を超えて出会った瞬間です。

このインタビューシーンが撮影されたのは現在「川喜田映画記念館」である旧川喜田邸です。
海外の優れた映画の紹介と配給に尽力された川喜田夫妻の旧宅で、
現代ドイツの監督と今はなき日本人監督が出会う。
これ以上の場所はなかったでしょう。
母屋と少し丘の上に別邸(旧和辻哲郎邸)があるのですが、
おそらく母屋で撮影されたのではないでしょうか。
確認出来ましたらここに書きます。

この場所で現在(2010年6月18日~20日)『東京画』の上映が行われています。
映画が撮影されたのと同じ場所で上映が行われるということになります。
旧川喜田邸で重要なシーンが撮影された映画が、
現在の川喜田映画記念館で上映されるというのは感慨を超えて映画の歴史にとっても重要な出来事ではないでしょうか。
小津安二郎がこの場所を訪れたことはあったのでしょうか。
旧川喜多邸と映画『東京画』についてはまだまだ知りたいことがありますので、
今後も折りをみて書いてみたいと思います。
写真は手前右が川喜田映画記念館、奥が別邸



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